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「ザクセン声楽アンサンブル」ワークショップ

2009年9月20日(日)

“皆さんのドイツ語はドイツ人以上にドイツ語らしいですね”
これは、「ザクセン声楽アンサンブル」の指揮者であるマティアス・ユング先生が、私たちの歌う「ドイツ・レクイエム」(ブラームス)より第4曲「いかに愛すべきかな、汝の居ますところは」を指揮して最初におっしゃられた言葉です。

「ザクセン声楽アンサンブル」は、ドイツのドレスデンを中心に活動し、世界中の有名音楽祭で高い評価を受けている合唱団です。武蔵野合唱団のメンバーの藤野一夫さんが、その初来日ツアーの企画者であったこと、そして彼らの日本で最初の演奏会場が武蔵野市であったことが縁となり、武蔵野市文化会館小ホールで開かれるワークショップへ参加する機会を武蔵野市文化事業団様からいただきました。

「ドイツの合唱団の皆さんに私たちのドイツ語はどんなふうに聞こえるだろう?」そんな覚悟で臨んだワークショップでしたが、満員の客席の最前列には、ずらりとザクセン声楽アンサンブルのメンバーの顔。少々緊張の面持ちで歌い終わったときに、マティアス先生から冒頭のお言葉があったのです。これは例えてみるならば、外国の方に向かって「あなたの日本語は時代劇の日本語みたいだ」というような感覚でしょうか?これには武蔵野一同苦笑い。マティアス先生には、ドイツ語をどのように自然に美しく歌うかということを中心にご指導いただき、われわれにとってはこの上もなく貴重な勉強をさせていただきました。そしてその時間も終わりに近づいたとき、マティアス先生が突然、「ではザクセンのメンバーも一緒に歌いましょう」と。ザクセンの皆さんは私たちと一緒に歌うために、ツアーでの演奏レパートリーにはない曲を練習してくれていたのです。ネイティブのドイツ語をそばで聞いてはじめてわかる「子音」の、クリアで軽くはじける美しさは言葉にできないものがありました。この歌をドイツの大聖堂で聞いてみたいと思わせる声、それこそが彼らの誇りなのではないかとも感じられました。
 
ザクセン声楽アンサンブルの魅力にすっかりやられてしまった武蔵野でしたが、感動をもらうだけで済まさないのが私たちの誇りでもあります。ワークショップ終了後はザクセンの皆さんをご招待して、日独親善文化交流という名を借りた怒涛の打ち上げ会へとなだれ込んだのでした。

武蔵野あらかると