オービック・スペシャル・コンサート2016 コバケンの名曲の花束
サントリーホール開館30周年記念事業の一環として、5月27日オービック・スペシャル・コンサート2016「コバケンの名曲の花束」が開催され、武蔵野合唱団も参加、満席のお客様から心のこもった万雷の拍手をいただき、華やかに終了いたしました。
思えば1986年の開館以来、私たちは何度このホールで歌ってきたことでしょう。サントリーホールは東京初のコンサート専用ホールとして、「世界一美しい響き」をコンセプトに設計されました。30年の歴史は、内外一流音楽家によって数々の歴史的名演が刻み込まれた歴史であり、また数多くの団体がそのステージに立つことを夢見て切磋琢磨してきた「あこがれ」の歴史でもあります。そのあこがれの殿堂に何度も立つことができたのも、小林先生をはじめとした、武蔵野合唱団をご指導いただいた先生がたの、たゆまぬお力添えがあってこそであり、そのすべての皆さまに心より感謝申し上げます。
迎えた本番、私たちの出番は後半の第二部からのため、第一部は全員P席で聴衆の一人として音楽を楽しむことができました。
プログラムの最初はワーグナー、金管群が派手に炸裂するローエングリン第3幕前奏曲で幕開け、冒頭から早くも祝賀ムード全開です。
2曲目は新進ヴァイオリニストして今や注目度ナンバーワンとも言える瀬崎明日香さん独奏によるベートーヴェンのロマンス第2番、そして前半の最後を締めるのは、小林亜矢乃さんによるラフマニノフの超難曲、ピアノ協奏曲第2番の第1楽章。ベートーヴェンの「静」と、ラフマニノフの「動」が相乗効果となって、会場は大きな感動に包まれていきます。
これらに加えて曲の合間に挟まれるナビゲーター朝岡聡さんの、音楽への深い造詣に根差したウィットにあふれる語り口が、満員のお客様の懐に入り込み、会場はすっかりリラックスモードです。
そして後半、いよいよ私たちの出番です。幕開けはアイーダの凱旋行進曲、中間部ではステージ最前列に陣取った6本のアイーダトランペットが高らかに彩りを添え、壮大なエンディングに向かっていやがうえにも感興が高まります。お客様から「風圧を感じるほどの迫力で、久しぶりに興奮した」とのお言葉もいただきました。
続いて、ソプラノ生野やよいさん、テノール笛田博昭さんのお二人によるプッチーニのオペラアリアが3曲。ここでもディープなオペラファンの朝岡ナビゲーターは絶好調、ホール内にはおしゃべりの笑いと美しいアリアの涙が交錯します。
そして締めは武蔵野合唱団オハコのカルミナ・ブラーナ抜粋! これまで幾度となく歌ってきた20世紀合唱曲の名曲です。
ブラボーの嵐と鳴りやまぬ拍手に応えて、ホールに詰めかけたお客様と万感を込めて歌う「ふるさと」。来場のお客様とオーケストラおよび私たちがまさしく三位一体となった幸福の瞬間です。興奮さめやらぬ中エルガーの威風堂々で最後の締めくくり、
ここでサプライズ!
最後の和音が鳴り響いたクライマックスで突如天井から雷鳴?
金色の吹雪が舞い降り、ホール内は騒然、そして大拍手。かつてない華やかな幕切れに皆さん大満足の演奏会が無事終了いたしました。