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大いなる秋田

人の縁というものは不思議なもので、ふとしたところで出会いがあり、それが繋がって広がっていく。この演奏会はそんな演奏会。

最初のきっかけは秋田出身の団員からのお声掛け。
「秋田出身の人で集まって“大いなる秋田”という曲を演奏するのだけれど、合唱の人数が足りない。武蔵野も参加しないか?」
“大いなる秋田”という曲はどんな曲か知らないけれど、本番で歌う機会が得られるというのは非常にありがたいお話。
そんなちょっとした縁からこの演奏会への取り組みが始まりました。

•日 時 2010 年 5 月23 日(日) 午後2 時開演
•会 場 杉並公会堂大ホール
•指揮者 佐藤 正人
•曲 目
後藤 洋 :輝く日への前奏曲
天野正道:交響組曲第7番「BR」より
石井 歓 :合唱とブラスのための楽曲
「大いなる秋田」
•吹奏楽 大いなる秋田東京公演記念吹奏楽団
•合唱  大いなる秋田東京公演記念合唱団
武蔵野合唱団

まずは、武蔵野合唱団だけで音とり、歌詞付け。
事前に、
「秋田では学生時代に全員触れる曲だから難易度はそんなに高くない」と聞いていた通り、そこまで難しい音階ではなく、音域も出しやすい範囲。
しかし、歌詞に秋田弁が!
「いわしことれたら かごもてこい♪」
「はたはたとれたら たるもてこい♪」
「いわし?」 「いわす?」 「はたはた?」 「はだはだ?」
文字には表せない微妙なイントネーション。
しかし、そこは秋田人になりきらねばということで、とにかく発音練習。
秋田のガイドブックを買う人もいれば、はじめての秋田弁という本で勉強する人も。
そんなこんなで色々苦労はありましたが、さぁ準備万端でブラス合わせです!

オーケストラとの共演は多い武蔵野ですが、ブラス合わせはどんな音になるのか?
とにかく、まず感じたのが演奏者の曲に対する思い入れの強さ。
演奏者それぞれが自分の学生時代を思い出しながらそれぞれの思いを表現していたのでしょう!
「合唱の人数が足りない。」の言葉が嘘の様なエネルギー。
これぞ音楽の原点!曲への思いの強さを全身で感じ、多くが秋田出身ではない我々も一気に曲の魅力と、演奏会へのモチベーションを高めたブラス合わせでした。

大いなる秋田練習1大いなる秋田練習2

さらに!
練習の後は懇親会。

大いなる秋田懇親会1大いなる秋田懇親会2

ここでも秋田への思いの強さを見せつけられました。
まずはビール、そして日本酒へ…
同じ地域について語り合う人もいれば、同じ高校出身者で校歌を歌う人もいる。
完全に圧倒されてしまいました。
住む場所も違えば、歳も違う。この演奏会がなければ会わなかっただろう人もたくさん。
しかし、秋田の皆さんの懐の深さに包まれ、楽しく語り、楽しく歌い(武蔵野合唱団メンバーも2曲ほど披露させて頂きました)、一体感を高めた夜でした。

本番当日。
目を閉じれば、鳥海山も、男鹿半島も、田沢湖も見えるくらいに、すっかり秋田に染まった武蔵野団員もちらほら。
時間はあっという間に過ぎていきました。
もちろん演奏会は満員御礼、大成功!

「大いなる秋田」という曲の魅力に魅せられ、
大いなる秋田東京公演記念合唱団の皆さんの思いを感じ、
人と人の繋がりの尊さ、曲に対する思い入れの大切さ、
多くのことを学んだ本当に素晴らしい演奏会でした。

急に練習に合流した武蔵野合唱団を受け入れてくれた、大いなる秋田東京公演記念合唱団の皆様。
本当にありがとうございました。

もちろん打ち上げも一緒に大いに盛り上がりましたよ!

大いなる秋田合唱団1大いなる秋田合唱団2

宴会でお話ししてわかったことですが、実は実行委員長の倉田さん、過去に武蔵野合唱団と共演したことがあったのです。
人の縁というのは不思議なものでこんな拍子にまた繋がるのですね。
大いなる秋田東京公演記念合唱団は演奏会を終えて一旦解散となりましたが、
これをきっかけにメンバーの数名は武蔵野の仲間として一緒に歌うようになりました。
こうやって、新たな人の繋がりが広がっていくんですね。

また集まって一緒に歌いたいな。
今度は我々が秋田に行って演奏会をやりたいな。
いつか実現できるかもしれない再会を考えながら、また新たな出会いへと歩んでいく武蔵野合唱団なのでした。


大いなる秋田東京公演記念合唱団実行委員長で湯沢市出身の倉田京弥さんのメッセージ

先日「大いなる秋田東京公演」への賛助出演をお願いしている、武蔵野合唱団の練習に参加してきました。
杉並区の久我山会館で開かれた練習には、大いなる秋田合唱団のメンバーも加わり、2時間に渡って熱心な練習が繰り替えされました。
秋田弁特有の「す」と「し」の中間音や「ハダハダ」などの発音に苦労しながらも、「しっかり音をとらえて!」「もっと深い声で!」と秋田出身者以上に「大いなる秋田」に真摯に取り組んでくださる姿に感動しました。
2曲目に演奏される、天野正道作曲「BR」でも歌っていただくことになりましたが、練習を聴いただけで鳥肌が立つほど素晴らしい合唱でした。

武蔵野あらかると